博多座 「Endless Shock」を観てきた

観劇のこと
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 観ました、見ました。初めての旧ジャニーズのステージです。今までの食わず嫌いを本当に後悔しました。上質のエンターテインメントを見せてもらって大満足でした。

思いがけずチケット入手

 この演目は、以前から博多座でも上演していました。しかし、私は全くジャニーズに興味がなかったため、会員席に応募することはありませんでした。でも、人生の最終コーナーを曲がってから、「日本の芸能文化の一部を担っている(ちょっと大げさ?)彼らの生の姿を1度くらいは観てみようか。」と思って、抽選落ちを覚悟で博多座会のチケットを申込をしたところ、なんと当選してしまいました。

 ちょっと、びっくり!社会問題になった「あのおじいさんの影響でファン離れが進んだのかな?」とうがった見方をしたぐらいです。そして、高齢者に片足を突っ込んだ私が、旧ジャニーズファンが集まる場で「ちょっと浮くかしら。。。」と気後れしてチケットを購入したことを後悔してしまいました。

 しかし、ドキドキしながら出かけてみると、「あら、びっくり(*_*)」同世代の方が結構おられました。旧ジャニーズって、ファン層が広いのね。

上質のエンターテインメント

 この公演では、上演時間の2/3くらいはショーのシーンでした。

 私はショーを観るのが大好きで、たくさんのショーは観てきましたが、この公演のクオリティは、かなり高いと感じました。

ダンサーの力が舞台の質を高める

 次々と絢爛豪華な舞台が繰り広げられますが、とにかくダンサーのクオリティが高いことに目が向きます。中でも4人の黒人ダンサーのダンススキルの高さは、他を圧倒しています。高く上がる脚、ぶれないスピン、早い回転速度、高いジャンプetc。この4人のダンサーだけのシーンがいくつかありますがもう目が釘付けで、ずっと見ていたい感じでした。鍛え抜かれた身体から繰り出されるダンスは、必見です。

 もちろん、他のダンサーたちも引けを取りません。バレエのテクニックだけではなく、バク転など体操の要素や太鼓、殺陣なども含め迫力があります。

 特に殺陣は、かなり迫力があります。舞台で見せる殺陣は、けが予防のためか、カウント合わせで表現するものが多いようです。でも、この舞台の殺陣は間合いで切り込んでいくので、見ごたえがありました。今まで観てきた殺陣の中で一番美しく迫力があったと思えるほどでした。

堂本光一さんのスター性

 これらの高い技術をもつダンサーを従えている堂本光一さんのスター性は目を見張ります。「スター」が高いスキルを持っていることは望ましいことですが、それ以上に出演者の中心にいて「自分が輝く」才能が卓越していると感じました。

 堂本光一さんは、この公演でのセリフ(アドリブ?)で「小柄ですねと言われる」と言っていたのですが、調べてみると168㎝で確かに小柄のようです。でも、舞台のセンターに立つ堂本光一さんは本当に大きく見えます。舞台とは不思議なもので、役者の持つエネルギーの放出具合で大きくも小さくも見えます。ショーという光り輝く舞台での堂本光一さんのエネルギーは、無尽蔵でした。

 以前、ダンスを学んでいるときに、指導者から「技術は教えることはできるけど、派手さは教えられない。」という言葉をもらったことがあります。この公演を見終わって、改めて理解することができました。スターという人は、生まれたときから光り輝くものをもっていて、今回別次元で輝く堂本光一さんを観ました。

ファンサービスの精神

 堂本光一さんは、何度も宙乗りを見せてくれます。この宙乗りは、演出の派手さだけではなく、2階、3階席の観客に推しの堂本光一さんを至近距離で感じることができる大きな効果があります。ファンにとっては堪えられないでしょう。

 本当に歌舞伎やミュージカルなどでみる宙乗りとは、異質のものでした。ファンが何を求めているか、よく考えているのだろうと思います。旧ジャニーズは曲がりなりにも半世紀にわたってアイドルのマネージメントをけん引してきた会社ですし、堂本光一さんは数十年アイドルであり続けた人ですからね。すごいです。

 この感覚は平成中村座にもありました。「客(ファン)を楽しませる」という、本来ならば基本的なことを大切にするコンセプトを明確に感じます。

 そして、宙乗りのワイヤーロープで姿勢を維持するのは、体幹の力が重要と聞きます。堂本光一さんはただフライングをするだけではなく、天井から降りた何本もの梯に乗り移ったり、ブランコのように振り子運動をさせていきます。その運動はワイヤーロープの遠隔操作ではなく、体幹の力でロープを振っていることがわかり、思わず「凄い。。。」っと呟いてしまいました。これを1公演に5回(だったかな???)こなすのですから、体力的にも大変そうです。

 今年でこの公演は最後とのことですが、演目の内容と主演の堂本光一さんの年齢を考えると、勇退ということでしょうね。

旧ジャニーズのタレント

 出演者のうち、旧ジャニーズのタレントは佐藤勝利さんを除いて、ジュニアと呼ばれるまだデビューしていない若手のホープさんたちでした。

 このジュニアさんたちはダンスシーンはコーラスラインの先頭で踊るのですから、否が応でも目を引きます。若いエネルギーでキラキラしています。

 このジュニアさんたちで芝居部分を展開していきますが、役者としての力量はまだまだであることは否めません。でも、アイドルとしての資質が高い人たちなので、醸し出すオーラはやっぱり違います。それこそ、ファンがスターに育ててくれそうでした。

ちょっと違和感

 オープニングに出演者のクレジットが投影されました。これに対して拍手が沸き上がったのです。出演者に対する敬意とは思いますが、「まだ何も始まっていないし、文字だし。。。」と思った私は愚か者?

 そして、フィナーレで出演者が一堂に会したところで、観客がいきなりスタンディングオベーションが始まりました。「まだ終わっていないのに」と驚いたのですが、すぐに理由がわかりました。この後、カーテンコールに出演者が応じないのです。

 観客からの熱心なカーテンコールに1度も応じない舞台は初めてです。それまでファンを大事にしていると感じていただけに、ちょっとびっくりしました。まあ、出演者は公演に全力投球して体力を消耗しているし、博多座のカーテンコールは結構しつこいですから、「これもありかな?」と思えました。

楽しみが一つ増えた

 アイドルの舞台は自分の年齢を考えてず~っと避けてきましたが、キラキラした若い人を観ていると幸せな気分になれます。チャンスがあればまた観たいなと思います。

 最近、テレビでみてダンススキルが高いと感じる「SNOW MAN」が気になっているのですが、この人たちの公演もプラチナチケットのようですね。でもいつかトライしてみます。人生の最終コーナーを曲がった私に残された時間は短い。気後れしている場合じゃない!!

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