劇団☆新感線、話題の新作「バサラオ」を観劇しました。
生田斗真さんの美しさと狂気
この演目の楽しみの一つは、元ジャニーズタレントの生田斗真さんのお姿を間近で拝見すること。メディアを通じてみるお顔はとってもきれい。「実物はさぞかし美しいのだろう」という妄想一杯で出かけましたが、期待は裏切りませんでした。ステキ!!!
きれいなお顔
そのきれいなお顔を武器に「麗しき顔で女たちを従えるヒュウガ」という役は、生田斗真さんのはまり役でした。この舞台の冒頭に、ヒュウガを守って死んでいく女たちがいるのですが、生田斗真さんの「好きな男をのために死んでいく女の姿は美しい」というセリフが嫌味なく聞こえますよ。「うん、うん」なんて思ってしまいました。
舞台映えする姿と狂気
元ジャニーズのタレントさんって、私の偏見では「小柄な方ばかりで舞台映えしない」というものなのですが、生田斗真さんは175㎝と、舞台役者としてはそこそこの身長があるようです。しかし、それ以上に舞台映えする容姿でとても大きく見えます。
とにかく驚くのは、その無尽蔵の体力です。キレッキレの殺陣、ダンス、歌。舞台中を縦横無尽に走り回ります。そして、生田斗真さんが歌う姿を初めて観ましたし、あの大きな目で見栄を切って、六方を踏むのですよ。すんごい。。。
昨年夏に生田斗真さんが主演したテレビドラマ「警部補ダイマジン」では、突き抜けたキャラクターでしたが、この「ヒュウガ」を彷彿させました。そんな役柄を配される「生田斗真」という役者は、平穏な男性だけではなく、現実離れした狂気を感じる妖艶な役を演じることのできる稀有な存在なのでしょうね。
元ジャニーズの実力
歌とダンスは「この方、ジャニーズだったんだ」というのが素朴な感想です。私には生田斗真さんが歌っているイメージが全くなかったのですが、「歌えます、踊れます」という感じです。そして、線が太く動きが大きいので、ダンスに迫力があります。
舞台の芯で踊る人は、テクニックというより、魅せるダンスが求められると私は思ってます。これって、旧ジャニーズタレントの得意分野ですよね。もちろん、ダンススキルが高いことに越したことはありませんが、それ以上に「自分が主役よ!!見て!!」っていう動きでいやおうなしに観客の目が集まる、生田斗真さんはまさにそんなダンスでした。
また、歌も声量があり、エコーもギンギンに効いて、劇場全体に響きわたります。「旧ジャニーズタレントのほとんどが、テレビであれコンサートであれ、口パクでパフォーマンスをやっている」との噂を聞きますが、生田斗真さんは一線を画します。
迫力ある殺陣
殺陣も迫力はばっちり。舞台の殺陣は、カウントで動くことはわかっていますが、それを感じさせない動きに見入ってしまいます。立ち回りがスムーズで、スピード感がある。劇団☆新感線の公演では殺陣のシーンがたくさんあるので、周辺を固める役者さんたちのスキルがとても高いのだと思います。でも、それを受ける役者の力量が不足していては、あの迫力ある殺陣を見ることはできません。最近見た若い役者の殺陣に、「なんだかね。。。」という感想を持っていたので、その実力がわかります。
終演後に、「生田斗真って、ジャニーズだったんだよね。」「歌って踊る姿を初めて観た。」「今日は1回公演だけど、2回公演でも、あの動きをやっているのだからすごい。」そんな感想がささやかれていました。私と同じ感想を持った人は他にもたくさんいたようですね。
穏やかな中村倫也さん
劇団☆新感線の公演では、プロローグはヘビメタの音楽と客席を照らす強烈なスポットライトで観客を一瞬にして引き込み、役者の登場シーンとなります。今回の私の席は、サブセンターのセンター通路側だったので、最初の役者が私の横をすり抜けていきました。後ろ姿は小柄なので、「女性かな?」と思ったら中村倫也さんでした。振り返ると、シックな衣装に身を包んで穏やかな声と表情でひきつけていきます。
主役の生田斗真さんと対照的に、全体的に抑えた演技でしたが、ストーリー展開の中で、ヒュウガを抑え込むような強い演技をする場面もあって、多様な中村倫也さんを観ることができました。そして、ミュージカル映画の吹き替えを担当するほどの歌唱力もあって、突き抜けた生田斗真さんの演技に効果的に絡んでいく感じがあって、目が離せません。
この方の美しいお顔には「ヒャ~!ステキ」と心の中で叫んでいました。
個性豊かな出演者
古田新太さんの個性・演技は言うまでもありませんが、衣装のせいか猫背が強調されて、「ちょっと年齢を重ねたな~」という印象を持ちました。それが貫禄になるのですけどね。
今回目を引いたのは、西野七瀬さんです。
私は女性アイドルには全く興味がなく、パンフレットを見ても「この人、誰?」という感じでした。今回舞台を拝見して、こんなに歌える人とは知りませんでした。そして、髑髏のコレクターという設定がぶっ飛んでいて、「死んで~♡」と嬉しそうに叫ぶ演技がはまっていて、びっくり。舞台評で、「今回の演目で一番のもうけ役は西野七瀬」というものを見ましたが、確かに彼女の実力を垣間見ることができた舞台でした。これから注目していきたい役者さんです。これからも劇団☆新感線に出演してくれるかな?
おまけ
大満足の舞台にニコニコしながら自宅に戻ると、自宅の郵便受けに博多座9月公演「Endless Shock」のチケットが!!!
博多座会員になって25年。初めて旧ジャニーズの公演に応募したら、なんとチケットが取れたのです。高齢者に片足を突っ込んでいる私ですから、旧ジャニーズの公演に行けるのも今回が最後かも。そして「Endless Shock」も、この公演がラストとか。楽しんできます。
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