博多座 モーツアルト!を観てきた

観劇のこと
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 行ってきました!待ちに待ったミュージカル「モーツアルト!」です。

 「古川雄大ヴォルフガング×涼風真世ヴァルトシュッテンテン男爵夫人」と「京本大我ヴォルフガング×香寿たつきヴァルトシュッテンテン男爵夫人」の配役で、2回観劇しました。今日はその興奮冷めやらぬ観劇の感想です。

 とにかく、名曲と言われるナンバーがたくさんあって、それを歌う役者の力量の高さで聞きほれてしまいます。ミヒャエル・クンツェとシルベスター・スターリィの創る世界にどっぷりつかって、大満足でした。

舞台大道具

 舞台は、セピア色のピアノを盆で方向を変え、五線譜の大道具がフレームのように舞台を囲み舞台転換をします。この五線譜が拡大・縮小して、場面をポートレートのように切り取っていくように見えて、とても印象的でした。

 そして、エプロンステージが設置されいて、役者との距離が近くなっています。これには、堪えられません。

古川雄大さんのヴォルフガング・モーツアルト

 「古川雄大ヴォルフガング×涼風真世ヴァルトシュッテンテン男爵夫人」は、博多座会の観劇優先券を行使してチケットを購入したので、前から5列目でした。エプロンステージがあるおかげで大好きな古川雄大さんが目の前に!💝

 この方、とにかく高い実力と美しいビジュアルでいつも魅せられています。ただ、ヴォルフガングを演じるにあたっては、「少し貫禄が邪魔するかな?」と思っていましたが、杞憂に終わりました。

 時々映像の世界で見せているいたずらっぽい表情やセリフまわしが、少年から青年時期のモーツアルトに表現されていました。かわいい♡

 とにかく、ルパンを観たときにも書きましたが、とにかく立ち姿が美しいのですよ。長身にロングのドレッドヘアがよく似合っていました。そして、タンクトップのシルエットから鍛えた筋肉がうかがえて、とってもセクシー。「きゃ~!」って感じです。

 そして、持ち前の歌唱力は、圧巻でした。「モーツアルト!」はほとんどがナンバーです。歌詞を伝えられなければ、物語はわかりません。歌唱の途中でながれることなく、歌詞の一つ一つがきちんと伝わってきました。特に、クライマックスの「レクイエム」を作曲していくシーンでは、ヴォルフガングが何を悩んでいたのか、はっきりわかったような気がしました。そして、随所にあるロングトーンは、劇場を震わすというか、空気を支配するというか、「ミュージカルスターはこうでなくっちゃ!」と思わせる出来でした。

 それから、ヴォルフガングとコロレド大司教役の山口祐一郎さんと対峙するシーンがありますが、長身で演技力、歌唱力、声量 etcに卓越した二人が、目の前のエプロンステージ上で熱唱するのですから堪えられません。このシーン、本当に迫力があって良かった~!シ・ア・ワ・セ💞

 また、今回の衣装のジーンズはダメージ加工の腰パンで、長い脚によく似合っていました。こんなジーンズは、親世代には受け入れがたいようで、レオポルド役の市村正親さんから何度かジーンズを引き上げられる演出がありました。世代間ギャップを反映しているようで、おもしろかったですよ。

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京本大我さんのヴォルフガング

 今をトキメクトップアイドルSix Stonsのメンバーで、必殺シリーズでも有名な京本政樹さんのご子息ですよね。

 この方は、「エリザベート」のルドルフ皇太子役を博多座で観たことがあります。この時は、今ほどキラキラしていなくて、歌も今一歩でした。ところが、アイドルとして活躍することで自信が芽生えたのか、肩の力が抜けてきたような印象を持ちました。

 私がイメージするヴォルフガング・モーツアルトは線が細い華奢な男性です。その点で、京本大我さんのヴォルフガングは、私にとってはイメージどおりでした。舞台俳優としては背は高い方ではないため、大人数が出演する場面では埋もれてしまっていましたが、スポットライトを浴びるとビジュアルの良さはため息ものです。きれいな男の子って、いいですね。

 ただ、残念なことに低音の発声が弱く、歌詞が聞き取れないところがたくさんありました。そして、声量も大きい方ではないのでオーケストラの演奏に声がかき消されているのです。特にコロレド大司教役の山口祐一郎さんと対峙するときは、山口祐一郎さんが明らかに声量を抑えていることがわかりました。古川雄大さんの時の迫力が全くなかったのです。現在の実力は、キャストに色を添える役割としては十分なのですが、ミュージカルの主演は荷が重いと私は思いました。もちろん、あくまで私の主観ですから、他にいろんな意見があることは承知しています。

 しかし、ルドルフ役から格段の上達をしていますから、「もっとボイストレーニングを積んだら、もっと輝ける!!ミュージカルスターになれる!!!」と思ってしまいました。

 アイドルである京本大我さんが、これからの未来をどのように描いているのかわかりませんが、ミュージカル俳優を主体にやっていくなら、ボイストレーニングを積んで腕を上げてほしいと切に思います。

涼風真世さんのヴァルトシュッテンテン男爵夫人

 怪演でした。「こんな解釈のヴァルトシュッテンテン男爵夫人があるのか?」とびっくりしました。

 それは、この役の見せ場である「星から降る金」のソロで強調されました。従来役者が歌ったような慈愛に満ちた歌い方ではなく、老猛て頑固な老婆が「あなた!何をうじうじ言ってるの?!夢をかなえたいなら、こんなところにいちゃだめよ!」と言い放っているようでした。

 これは、64歳の涼風真世さんが演じるのであれば、「ヴォルフガングが生きた時代では、64歳はこうでしょ?」と解釈したのかな?と私は思いました。

 私、涼風真世さんとタメ、同い年です。ともに高齢者にリーチの年齢です。

 この方が宝塚歌劇で期待のホープ時代からず~っと舞台を観てきました。男役にピッタリの野太い声と華奢なビジュアルとにギャップがあって、それが私の推しポイントでした。そして、宝塚歌劇団を退団して女性としての役をこなす上では、力強いアルトは「少々邪魔になるな~」と思っていました。しかし、今回のヴァルトシュッテンテン男爵夫人の演じ方には、とても効果的でした。

 涼風真世さんが「むかし妖精、いま妖怪」という言葉をよく口にします。今回のヴァルトシュッテンテン男爵夫人は、私には妖怪に見えました。そして私も「妖怪と呼ばれるようにいつまでも元気でいたい」としみじみ感じました。

香寿たつきさんのヴァルトシュッテンテン男爵夫人

 涼風真世さんと同じく、この方も宝塚歌劇団時代の若手ホープの頃から観てきています。歌唱力を買われ、印象に残るシーンでソロをたくさん歌っていましたし、ダンスも演技も目を引く実力だったんですよ。実力派の生徒さんだったのですが、宝塚歌劇の主演男役としては、ちょと距離を置くビジュアルだったので、トップスターになるまでの道のりは長かったようです。退団後は卓越した歌唱力を活かして、いつも主要な役どころで活躍していますよね。この方の声、歌い方が好きです。

 この方の「星から降る金」のシーンはYouTube動画がアップされ、温かみのある歌声を聴くことができます。私は、「星から降る金」は香寿たつきさんと春野寿美礼さんの歌唱が大好きです。

 ただね、今回の観劇時は、な~んか調子が悪かったのか、声が裏返ったり、あの包み込むような物語を聴かせるような歌声ではなかったのですよ。声の張りがなく、楽しみにしていただけにとっても残念でした。

大人気のミュージカル

 「モーツアルト!」はとても人気の演目で、いつもなら劇場内にある配役表が1階エントランスに掲示されていました。それを撮影するために長蛇の列!!!その行列はチケット売り場まで続いていたので、その人気のほどがわかります。

 ところが、ヴォルフガングのアクリルスタンドをはじめとした公演の商品はなかったのですよね。もしかしたら、売り切れ?

 私自身は記念の品は購入することはないのですが、ちょっと見てみたかったので、残念でした。今後の観劇の日程選びの参考にします。

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