高校時代の同級生達と、還暦前から何となく集まるようになりました。高校時代と言えば、人生で一番多感な頃かもしれません。
私は生まれてからずっとこの街で暮らしています。地元に残っている同級生はたくさんいたけれど、まったく交流はありませんでした。高校時代に仲の良かった子も、結婚すれば、連絡は途絶えがちとなります。とすると、同級生に積極的に会いたいとは思わなくなりました。
同級生Kさんとの再会
高校卒業後15年くらいして、同級生Kさんに趣味を通じて再会しました。Kさんは趣味の世界ではプロで、私はアマチュアでしたから、二人の間のレベルの違いを痛感することばかりでした。
まして、Kさんは、高校時代から美人で社交的、リーダーシップがとれる本当に素敵な女性です。同じクラスでしたが、ちょっと遠い存在でした。とても親しく話をすることはできず、会えば挨拶をする程度の交流でした。
Kさんからの同窓会のお誘い
そんな関係が続いたある日、Kさんから、「『同窓生という名の宴会』をするけど、あなたも来ない?」と声かけられるようになりました。話を聞いてみると、どうも、度々集まっているようです。しかし、私は社交的ではありません。華やかなKさんの集まりには「私は似つかわしくない」とか「久しく会っていない同級生と宴会といわれても。。。」と尻込みをしてしまい、いろんな理由をつけて断ったりしていました。それでも、Kさんは熱心に誘ってくれて、最後は断り切れず「同窓会という名の宴会」に参加してみることにしました。
同窓会への参加
行って、びっくり(*_*)。私の心配は杞憂に終わりました。
同窓会は本当にただの宴会でした。みんな、ただのおじさん、おばさん。ドラマで見るようなエピソードもなく、けれど楽にお酒が飲める場だったのです。
集まっていた同級生の中には、同じクラスになったことのない人もいました。でも、多感な頃に時間を共にしたことは、40年という長い時間を超えられるのですね。思い出を語り、社会問題を語り、おいしい食事とお酒をいただくことで、楽しい時間が過ごせました。
それまでは、どうしても仕事関係のつながりばかりで人間関係ができていたので、同級生との会話は本当に新鮮でした。一人ひとりに人生があり、みんな苦労しながらここまで頑張ってきたことがわかりました。今まで、自分がいかに内向きで暮らしてきたかが、よくわかりました。
この日以降、Kさんからのお誘いだけではなく、ほかの同級生からも、なんだかんだでいろんなイベントに誘われるようになりました。私も、よほど都合が悪くない限り、同級生からのお誘いは、原則お受けするようになりました。何事も臆せず、参加してみることが重要なんだな~としみじみ感じています。
アラ還世代の心情

なぜ、この時期になって同級生が集まるようになったのか。おそらく、定年退職前に、会社という組織から外れるという環境の変化があるのだと思います。社会とのつながりがなくなるとか、自分の世界が狭くなるとか、いろいろ考えてしまいます。
人は、属するコミュニティによって、呼称が変わるといいます。「○○ちゃんのお母さん」とか、「○○さんの娘さん」とか、「○○さんの奥さん」とかです。その中で、本名で呼ばれるのが仕事の場ではないでしょうか。だから、定年退職を目前にしたころから、本名で呼ばれるコミュニティに同級生があることを意識しているのかもしれません。
同級生とのつながりは、本名の自分でいられる世界です。そして、安心できます。根気よく、私を誘ってくれたKさん、ありがとう!!