ちょっと前に、星野リゾート界別府に同級生3人で温泉旅行に行きました。その旅館でのエピソードを書きましたが、あれから約半年、次の目的地は武雄温泉。お宿は、御船山楽園ホテルです。
このホテルを選んだのはチームラボ「廃墟と遺跡」を見てみたかったことと、サウナの評判から。行ってみて、大満足です。
チームラボ「廃墟と遺跡」
光による幻想的な世界は、ずっとその場所にとどまって、変わり続ける光の変化を楽しみたいという思いに駆られます。
展示は6か所。A1~A3の3か所はフロント周辺に、残りB1~B3の3か所はホテル奥の廃墟に展示されています。
写真ではすべてを伝えることはできません。「とにかく見てほしい」というのが感想です。ただ、冬季にB1~B3を見るときには、コートは必需品です。屋内ですが廃墟なので寒いです。
A1 呼応するランプの森とスパイラルーワンストローク

A2 生命は生命の力で生きているⅡ

A3 Light Sculputure of Flames


B1 廃墟の湯屋にあるメガリス

B2 廃墟の湯屋のフラワーズボミング

B3 忘れ去られていた地下道の朽ち果てていく場に永遠に憑依する炎


御船山庭園
鏡のように映る池が幻想的です。


らかんの湯
このホテルの薪サウナはテレビでも再三紹介されて、自然を眺めながら心地よい汗をかくことができると評判でした。「でした」というのは、昨年大晦日に火災が発生してしまったから。楽しみにしていたのに、何たること!
ホテルから、「無償キャンセルも受け付けます」との連絡も入りましたが、ドライサウナやミストサウナは利用可能とのことなので、薪サウナが利用できなくても許容範囲でした。
結果として、このホテルの大浴場・サウナには本当に癒されました。温泉を楽しみにしている宿泊客のニーズをしっかり理解していて、コンセプトを実現するように設備投資を十分にしているという印象です。そして、過剰なサービスをするのではなく、必要なものを丁寧に整えていると感じました。
武雄温泉 旅館 御船山楽園ホテル (mifuneyama.co.jp)
デトックスウォーターは2種類、お茶はアイスとホットで、とてもおいしく煎れられています。そして、甘味としてプリン、水餃子、乾燥ミカン、かんころ餅が準備され、休憩中に口にすることができます。
この浴場で最も感心したのは、ホテルスタッフが頻回にメンテナンスに入ることです。(1.5時間の入浴時間中に5~6回スタッフの姿を見ました。)大浴場では、前に使用した人の髪の毛が残っていたりすると、ホテルの責任ではありませんが、興ざめですよね。こまめに備品整理やごみ回収、水回りの清掃をするので、きれいです。そして、頻回に出入りするためか、スタッフは完全に黒子に徹しています。必要な時に声をかけてくれますが、「ここにいますよ」的に挨拶を繰り返すことはしません。そんな、さりげないサービスが心地よかったですよ。
客室
本館の予約をしました。古さは否めませんが、居室のリニューアルはできています。まあ、普通の温泉旅館の客室です。トイレと客室内のユニットバスは「昭和」です。しかし、汚くはなく、「宿泊客のニーズに優先順位をつけて、改修しているな」という好意的見方ができる部屋でした。

ホテルそのものが、昭和の高度経済成長時代に規模を拡張し、経済の減速によって、衰退していったのだろうな、と思わせるものです。それを逆手にとってチームラボの「廃墟」を演出しているのですからね。
しかし、リニューアルされていない施設の建具などは、古いものの趣があります。最近、隆盛を極めている温泉ホテルの新規施設にはない、落ち着きです。既存の施設をどのように演出すれば、全体の雰囲気を壊さないかをよく考えているのだろうと思いました。
食事
お料理は残念ポイントがありました。基本料金に加算して「料理長お任せ懐石 プレミアム」で予約をしました。
決してまずいわけではありません。季節のもの、地元のものを活かしたメニューは及第点です。しかし、魚のパイ包み焼きは生臭く、食べることができませんでした。そして、全て食べ終わったときに「これ、おいしかったね」と印象に残る料理がないのです。
「調理長さん、もう少し頑張って」という感じです。

そして、給仕スタッフもいただけません。酒類のオーダーの手順が悪く、準備していたお料理が置き去りにして場を離れたり、その後もなかなか戻ってなかったりと、宿泊客を見ていないという感じです。終わった食器の下げ方にも難があり、「きれいに演出する」という配慮が不足し、ちょっと興ざめでした。
給仕スタッフはシニア層が多く、地元の雇用を促進しているように見えました。しかし、接客トレーニングが不十分と思いました。フロントスタッフをはじめとした管理スタッフが若年層で優秀と感じるだけに、残念です。食事は宿泊客のもう一つの楽しみですから、演出が必要ですよ。
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