関西・四国5つの美術館めぐり 2日目の最初は、滋賀県の山奥に立つ私設博物館 MIHO MUSEUMです。9月も下旬となり、紅葉が色づき始めていました。
MIHO MUSEUMの概要
- 住所:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
- 開館時期
- 春季:3月中旬~6月中旬
- 夏季:7月中旬~8月中旬
- 秋季:9月初旬~12月中旬
- 開館時間:10時~17時
- 休館日:月曜(祝日の場合翌平日)
山奥にあるため、冬季は休館のようです。また、公共交通機関では、地元の帝産バスがJR石山駅から1時間に1本程度運航しているようです。結構大変そうですけれど。。。
建物は美術館棟とレセプション棟に分かれており、双方の建物の移動は徒歩か電気自動車になります。電気自動車は10分ごとに発着しており、長く待つことはありません。
パンフレットにある全体敷地MAPを見ると、結構な距離がありそうに見えますが、徒歩で10分程度です。レセプション棟からトンネルを抜けて美術館棟に向かう風景は「桃源郷」をイメージしているそうです。春、桜の咲くころは、見事だろうなと思います。
個人所有の美術品
<HPより>
MIHO MUSEUMのコレクションは、創立者・小山美秀子が40年以上に渡り、折にふれ集めてきた茶道具、神道・仏教美術、書画、陶磁器、漆工など多彩な日本美術からはじまりました。
それはいつしか、「美術を通して、世の中を美しく、平和に、楽しいものに―」との想いと相まって美術館の構想へと膨らんでいきました。そして、その願いが建築家I.M.ペイとの出会いにより実現していく中で、世界の古代美術へと広がっていきました。
日本から古代オリエントにわたるコレクションは約3,000件からなり、そのうち常時約250~500点を公開しています。
コレクション | MIHO MUSEUM

エジプト、アジア、中国などの美術品が紀元前のものも多数あり、もしかしたら国宝級?と感じるようなものがたくさんありました。MIHO MUSEUMのHPにあるように、この美術品を収集した小山美秀子さんは世界救世教から分立した宗教法人神慈秀明会の開祖です。そして、この美術館を設立したのは神慈秀明会です。この宗教法人の力がわかります。
手入れの行き届いた施設・環境
美術館棟もレセプション棟もデザイン性に優れたものでした。ツアーでご一緒した石材店を経営されているご婦人のお話では、使われている大理石は「アジアの安価なものではなく、欧州から輸入されたものと思われる」とのことで、重厚感があります。また、インフォメーション前に設置されている巨木から切り出された一枚板は、目を引きます。当初ベンチとして使用する予定でしたが、消毒ができないためベンチの利用を断念したとのことでした。

また、美術館周辺の木々は整備され、苔がきれいに生えていて、手入れが行き届いていることがわかります。この管理は公益財団法人秀明文化財団が行っているようです。
まとめ
MIHO MUSEUMは、宗教団体が設立した美術館であることで、話題性はあります。しかし。ここは交通の便が良いとはいいがたく、おそらくツアーでなければ、訪れることはなかったと思います。

ただ、貴重な美術品、洗練された建物、重厚感ある資材・インテリア、きれいに手入れされた環境など、桃源郷をイメージして作られた美術館は、一見の価値はあります。