先日、「月曜から夜ふかし」という番組を見ていると、三省堂国語辞書について取り上げていました。その内容は、8年ぶりとなった全面改定の第8版の編纂に伴い、1,100項目が辞書から削除されたとのが取り上げられていました。その一例として、MCの村上信五さんが持っているフリップに「タカラジェンヌ」の文字が。
「え~!」
番組内では「タカラジェンヌ」のことには触れられていませんでしたが、ミュージカルファンからすると、ちょっとショック。
宝塚歌劇を知らない人が「タカラジェンヌ」という言葉の意味が分からず、検索しても情報を得ることができない。つまり、宝塚歌劇というものを知る機会がなくなるということです。
「タカラジェンヌ」とは

そもそも、「タカラジェンヌ」とは、宝塚歌劇団の団員の愛称として、「パリジェンヌ」をもじっての造語です。以前は「ヅカガール」でした。宝塚歌劇団はこの「ヅカガール」を好ましく思っていなかったようで、「タカラジェンヌ」という言葉を作ったのは宝塚歌劇団です。こう呼んでほしかったということでしょうね。
そのためか、宝塚歌劇のショーで歌われる歌詞の中に「タカラジェンヌ」がよく用いられています。宝塚歌劇団の団員の呼称・愛称として「タカラジェンヌ」は一般的なものと思っていました。
三省堂辞書の編纂方針
三省堂辞書の編纂方針としては、「固有名詞は縮小する」とのことらしく、「タカラジェンヌ」も削除対象になったようです。
では、他と比べてみます。
例えば「読売ジャイアンツ」の呼称に「巨人軍」ってありますよね。そしてこの「巨人軍」は応援歌の歌詞にも入っています。「タカラジェンヌ」もそれと同じ位置づけと思います。
「巨人軍」も将来的には削除されるのでしょうかね?
ちなみに、この三省堂辞書の第8版は、2021年12月ですから、8か月たっての話題です。今回、人気番組をたまたま見たことで、私は初めて知りました。
その他の削除例
「月曜から夜更かし」で使われていたフリップには、削除された言葉として「着メロ、MD、コギャル、プロフ、マイナスイオン、ボイン」が記載されていました。この番組の放送を受けて、Web上でもいろいろ話題になっていたようです。
三省堂書店のホームページ
三省堂書店のホームページでの説明は、以下のとおりです。
「時代を映す3,500語を増補し、収録項目数約84,000。新語義も徹底捕捉」
三省堂国語辞典 第八版[国語-国語辞典-]|辞書は三省堂|#現代語に強い #現代語 #アクセントがわかる #アプリあり #日常生活 #新語 (sanseido-publ.co.jp)
ここには、追加した言葉のみで、削除された言葉についての記載はありません。まあ、いろんな思惑があるでしょうしね。
このページにはこの改訂について取り上げたメディアの紹介もされていますから、第8版の出版にあたっては、「ちゃんと広報してますよ」ということなのでしょうね。
今回の話題も出版社からしてみれば、「なんで今さら?」って感じなのでしょうね。
まとめ
一つの民間出版社の辞書の編纂方針について、とやかく言うことではありません。辞書ユーザーとしては、「そうなんだ」と理解すべきところでしょうね。
しかし、学生時代に慣れ親しんだ辞書だけに、ミュージカルファンとしては、な~んだか、納得がいかないんですよね。