マリアは今年1月に虹の橋を渡った愛犬です。今まで、マリアの介護の記録を排泄編、食事編でお話ししてきました。今回は病気編です。
病気がちな子供の頃
生後4か月の頃、突然のけいれん発作が起きました。掃除機をかけている私を探すようにして、「キューン」と言って倒れてしまいました。病院に連れて行くと「てんかん」とは言い難いとのことでした。結果として、病名の診断はつかないまま、2~3年に1回、30分から1時間以上のけいれん発作をおこしては対症療法をするということを繰り返しました。
12歳 後ろ足を動かさなくなる
この年の春頃、前足で上体は起き上がることはできるのですが、後ろ脚が動きません。獣医さんに行くと、足の爪が折れていることがわかりました。「この爪の折れ方は結構痛いので、おそらくこれをかばって足を動かさなかったのだろう。」「爪は、何かに引っ掛けて折れたのではないか。」とのことでした。この状態は数日で改善したので、おそらく爪のせいだったと思います。

しかし、それから4か月後の冬、再び後ろ脚が立たなくなったのです。そのときはじめて「変形性脊椎症」と診断され、手術適応と言われました。手術を希望するなら大学病院を紹介するが、マリアは決して若くはなく、手術はかなりのリスクを伴うということも同時に説明されました。獣医さんと相談し熟慮の結果、「ニューロコンプレックス」というサプリメントで様子を観ることになりました。
マリアは神経質なので、飲んでくれるか不安だったのですが、このサプリメントは無味無臭とのことだったので、フードにかけて服用させても嫌がることはありませんでした。
13歳 徐々に歩けるようになる
冬が過ぎて徐々に温かくなった頃、4月のお誕生日プレゼントのように、マリアは自分で歩けるようになりました。人間の高齢者も冬の間は動きが悪くなりますし、気候は大きな要因のように思いました。もちろんサプリメントの効果もあると思います。
14歳 肝機能障害、腎機能障害
毎年、5月のフィラリア検査の際、一緒に他の血液検査をしてもらっていました。14歳の検査の時、初めて肝臓、腎臓の機能が悪いことを指摘され、肝臓機能障害にはウルソデオイキシコールが、腎機能障害にはコバルジンが処方されました。
マリアは顆粒を飲んでくれません。サツマイモに包んで食べさせていました。でも、相手は犬ですから、匂いで分かります。かなり苦戦して、時にはかわいそうですが、マズルをつかんで食べさせることもありました。

肝臓の方は薬の効果で改善はあったのですが、腎臓は効果が見られず、ネフガードに変更になりました。
ネフガードは錠剤粉砕器で砕いたものを大好きなサツマイモやわんちゅーるを混ぜたりして、食後に服用させていました。ネフガードが無味無臭だったことが幸いでした。
下半身まひの進行
ネフガードは活性炭で毒性物質を吸着する作用があるため、ニューロコンプレックスを服用させてもその成分が吸着されてしまい効果が無くなるとのことでした。仕方なく、ニューロコンプレックスの服用を中止することになりました。命と下半身まひを天秤にかけたことになります。
ネフガードの服用は最期まで続きました。幸いにも尿毒症に進行することはありませんでしたが、下半身まひは徐々に悪化していきました。かかりつけの獣医さんからは、「今後マヒが進めば、便秘や尿閉(尿は作られているが、膀胱から排出できなくなる)が現れる可能性がある。」「便秘は薬を使ったら出すことは可能だが、尿閉には、注意するように」と指導を受けていました。マリアは便秘にはなりませんでしたが、尿閉の様子は、排泄編でお話ししたとおりです。
病気のオンパレード
マリアの最晩年は、唾液腺のう胞や肛門腺膿瘍を発症したり、抗生物質の副作用で急激に元気が無くなったり、角膜潰瘍でレンズ体が脱出したりと、本当に大変でした。特に角膜潰瘍ではまぶたを縫う手術をするか否か、獣医さんとかかなりディスカッションし、手術を選択しました。

ペットの健康を守ること
ペットは家族です。治療法の選択をどうするかは、人間だったら本人に尋ねることもできますが、ペットは飼い主が判断しなければなりません。
私は、病気になるのも運命だと思っています。
提示された複数の選択肢のうち、その治療法がその後の生活にどのような影響があるのかを考え、マリアにとってできるだけ安楽と思える方法を選択してきました。この価値観はかかりつけの獣医さんと同じだったので、葛藤することは少なかったと思っています。
人間も動物も同じ価値観を持つ医師を見つけることができたらいいですね。