モンゴルに行ってきた

旅行
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 360°の草原と星空が見たいと思い、出かけてきました。しかし、その期待が叶わない時、旅行そのものの楽しさが激減し、加えていろんな魔物が潜んだ旅行でした。

 モンゴルに旅行したい理由を考えること、モンゴルに旅行するときに心がけたいことをつらつらと書いてみます。

成田空港第3ターミナルからの移動

 今回参加したツアーの集合は14:40だったので、出発日の移動にして、初めてLCCを利用しました。航空会社はJet Starです。

 この航空会社が乗り入れている第3ターミナルは、国際線ターミナルから遠いのが、ちょっと辛いところ。Webからの情報では、移動バスを利用すると10分程度とのことでしたが、先日マツコ・デラックスさんの番組で、この第3ターミナルからの移動は「かなり歩かされる」とのコメントを紹介していました。

 結論としては、確かに歩かされますが、第3ターミナルから第2ターミナルへの移動は、連絡バスを使って10分程度でした。

 確かに飛行機を降りてから、ターミナルビルの出口まで、10分程度歩く必要はあります。移動通路にはエアコンは効いていませんから、酷暑の頃はちょっと辛いかもしれません。しかし、到着口を抜けると、到着ロビーの目の前にはバス停があって、それに乗ると、2~3分で第2ターミナルに到着します。

 で、帰りも第3ターミナルを利用する場合、ちょっと注意が必要です。連絡バスは第3⇒第2⇒第1と運行されていますが、逆回りはありません。そのためか、第2ターミナルから第3ターミナルへの移動は徒歩での案内看板が掲示されています。第2ターミナルビルから出たとことにある看板には、「第3ターミナルまで約250M」と書かれていました。確かに、約250M程度なのでしょう。しかし、そこは第3ターミナルの端っこでした。そこから、チェックインカウンター、飲食・物販エリアを通って搭乗手続口まで延々と歩きます。約25分程度だったでしょうか、結構歩くことになりました。そこから搭乗口まで約10分程度歩きますから、「かなり歩かされる」という言葉の意味を実感するのは帰りの移動でした。

 乗り継ぎの移動計画を立てる場合、ちょっと注意が必要です。

ミアット航空の注意点

 噂通りの古い航空機でした。この航空会社のHPには航空機をはじめ、ほとんど情報がありません。そのため、旅行前にWeb検索をして得た情報は、搭乗経験のある人のブログからでした。

 実際に乗ってみると、機体は日本の地方路線に使われているような仕様で、30年以上は経ている感じです。まあ、旧ソビエト連邦の国では、珍しいことではないのですよね。

エンタメ事情

 それでも往路はモニター画面がありました。しかし、エンタメの言語は「モンゴル語」、「英語」、「中国語」、「韓国語」のみで、日本語のサービスはありません。長くアジアの覇者を自負してきた日本だったはずなのに、こんなところで日本の国力の低下を感じることになるとは思いませんでした。

 飛行中に私がモニター画面で見ていたのは、モンゴルの伝統芸能を紹介する番組でした。言語はわからなくても、画像だけでもなんとかなりますからね。この番組のCMに登場していたのが、元横綱の「白鵬」でした。

 隣に座っていた欧米人?はスマホに映画をDLしていて、それを楽しんでいました。

 復路は、個別のモニター画面はなく、十数人に1台ずつモンゴル映画を再生しているモニターがありました。音は座席にあるイヤホンジャックをとおして聞くようですが、分からない言語で映画を観てもねぇ。。。

 ミアット航空では、6時間前後の飛行時間をどう過ごすか、事前の準備が必要なようです。

消えないシートベルト着用サインで困ること

 飛行中、大した揺れでもないのにしょっちゅうシートベルト着用サインが出ていました。そして、その時間も長い。それでも、往路はそれほど気にならなかったのですが、復路でその理由がわかりました。

 機内サービスを提供している時間帯にはシートベルト着用サインを出して、乗客が通路に出ないようにしていたのです。まあ、あの狭い通路で乗客とワゴンが離合できるとは思えませんからね。とはいえ、今までになかった光景なので、「へ~ぇ。。。」と思ってしまいました。

 でもこれって大きな問題をはらんでいます。

 シートベルト着用サインがでると、いやおうなしに自席に戻らなければなりません。まあ、安全第一で気流の影響で揺れる場合は、仕方ないと思えますが、揺れてもないのにシートベルト着用サインがでると、トイレ待ちの人は結構辛いですよね。

 ミアット航空の往路の機体は2-3-2列、復路は3-3列でシート数の少ない航空機でした。往路はトイレが4室ありましたが、復路は2室しかないのです。客席数とトイレの数はそれなりにリンクしていると思いますが、小型機は要注意です。

 6時間前後のフライトですから、トイレには1回は行くと思います。そして、その時間は大体食後に集中しますよね。ましてやその前に、気流の影響で機体が揺れてシートベルト着用サインが出ていたら、乗客は長時間トイレに行くことはできません。

 機内サービスのビールやワインを何杯もお替りしていた私のお隣の席の人は、シートベルト着用サインの点灯でトイレが利用できず結構苦しんでいました。ちなみにこの方、機内サービスの終盤頃に、「漏れそう!」とキャビンクルーに懇願して、トイレに走っていきました。と同時に、乗客が一斉にトイレの順番待ちに立ち上がったのは言うまでもありません。この時のキャビンクルーの表情が歪んだのを、私は見逃しませんでしたよ。

 ミアット航空を利用する際には、水分の摂り方やトイレの時間などを、よ~く考えておく必要があります。

日陰のない草原

  モンゴルは高地にあり、紫外線が強いことはわかっていました。そのため、紫外線対策はばっちりのつもりでしたが、思わぬ盲点がありました。それは、草原では太陽光を避けるための日陰がないということです。

 アクティビティとして乗馬体験があったのですが、ツアー客全員の体験がが終わるまで、ず~っと直射日光の下でした。遊牧民の馬を借りて乗馬体験がだったので(モンゴルで観光用乗馬体験に特化した施設はなさそうです)近くには遊牧民のゲルがあるだけです。湿度が低いモンゴルでは、日陰に入いれば涼しいのですが、そんな場所はありません。じりじりと照り付ける太陽光の下で体力が失われていく感覚がはっきりとわかりました。あと数時間、この環境にいたら日射病になったと思います。こんな状況だとは、行ってみないとわかりません。初夏から初秋にかけてモンゴル旅行を計画する場合は、遮熱効果のある日傘は必須です。

 この後、ツアーバスのエアコンが故障というトラブルが発生し、丸1日灼熱地獄を体験することになりました。不可抗力とはいえ、日射病と熱中症のダブルパンチで、生命の危険を感じたのは私だけではなかったようです。

遊牧民の文化

 旅行の目的の一つに、名所旧跡を訪れることがありますよね。モンゴルのように歴史に残る英雄が大帝国を築き上げているのですから、「現地に行けばその片鱗がわかるところがあるのではないか?」と、ちょっと期待していました。しかし、ツアーで訪れたのは、現代に入って建設されたものばかりでした。

 下の写真は、チベット仏教のアリヤバル寺院ですが、ここも現代になって建設されたもでした。瞑想寺院とのことで、人里から離れたところにありますが、建物としての歴史はなさそうです。

 ガイドブックによく見る亀岩です。確かに大きな岩ですが、自然鑑賞がこれかと思うと、う~ん。

 広大な国土の一部を訪れただけですから一概には言えませんが、定住をしない遊牧民の国ですから、英雄も史跡となるような建築をしなかったのかもしれません。

モンゴルの空に星は降らなかった

 私の今回の旅行の大きな目的は、360°の満天の星空を見ることでした。そのために、新月の日に旅行の日程を合わせました。しかし、この日の夜空には雲がかかっていて、星はほとんど輝いていませんでした。ガイドさんによると、この日の星空は「100点満点中7点」とのこと。「7点」は、とりあえず星がみえたことが理由のようです。厚い雲に覆われていたり雨が降ったりしていたら「0点」ですからね。

 そこでツアー仲間と残念がっていたら、ガイドさんから「全く見ることができなかった観光客もいるんだから、いいじゃないですか。」と言われましたが、この言葉はとても残念でした。

 つまり、比較の対象が違うと思うのですよ。旅行はやっつけ仕事ではありません。もちろん、自然が相手であるから、約束されたものではないことは理解しています。でもね、「満天の星空を見ること」を願って旅行をして、それが叶わなかったら落胆をするのですよ。「見れなかった人もいるのだから」とは、自分が自分を納得させるためのもので、他人から(特にガイドさんから)言われたくないですね。

ウランバートル市の事情

 モンゴルでは、現代になって定住をする遊牧民が増加し、ウランバートル市の人口増加にインフラが追い付かず、社会問題になっているようです。とにかく交通渋滞と排気ガスがすごかったです。

 市街地の道路は片道4~5車線あるのですが、あふれかえる車をスムーズに通行させることはできないようです。ツアーバスの中から、無理やり割り込もうとしたバイクと乗用車の接触事故を目撃することになりました。

 政治家たちはいろいろな意見を出しているそうですが、解決には至っていないようです。ガイドさんの話では、日本で大相撲の横綱になった力士のお兄さんが政治家で、その方が「河川に船を通す」と議会に提案したそうです。モンゴルは乾燥地で河川の水量は少なく、冬季にはマイナス30℃となり川の水は凍るのに、現実味のない政策に世間の顰蹙を買ったようです。

 また、ウランバートル市内には火力発電所があり、このことからも大気汚染がひどく、乾燥した草原から舞い上がる土ぼこりが堆積して、どの車も薄茶色でした。バスの中にいても、土ぼこりの匂いがしましたから、「あの空気を常時吸っている住民の健康に問題はないのかしら?」と心配になってしまいます。

ちょっと辛口の感想

 ツアーの終盤、楽しくお話をさせていただいた方から「今回のモンゴル観光でどこが一番良かったですか?」と質問され、私は思わず「(見たかったものが見れなかったので)ないです」と答えてしまいました。同じ質問に別の方は「ヤクの赤ちゃんに会えたことかな?」と答えていたので、私と同じ感想の人はいたようです。

 満天の星空を見ることが叶わなかったことが、全体の評価を下げてしまったのかもしれません。

 残念ながら、同じ草原なら、乾燥して土ぼこりにまみれたモンゴルの草原より、「雨で潤う阿蘇の草千里の方がきれい」と思ったくらいです。

 見渡す限りの広大な草原や自然、不便さを伴う野性的な体験をするためにモンゴルに出かけました。しかし、その体験をとおして、私にとっては魅力的ではないことがわかりました。

まとめ

  • 成田空港での国内線発着の第3ターミナルと第2ターミナルの移動は結構歩く必要があることを踏まえて、トランジット時間、スーツケースの宅配便利用を検討する。
  • モンゴルへの定期便であるミアット航空では、
    • 機内サービスでのエンタメを楽しめる可能性は低いので対策をとる
    • トイレ事情を考えて、水分の摂り方、トイレの利用時間を考えておく
  • 自然が相手の観光は、それが叶わなかったときの落胆を小さくするため、他に楽しみにすることを見つけておく

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